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No.453 いつも君のそばにいるから

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 「病気のもたらす精神的変化がいかに大きいか、・・・・・インフルエンザにちょっとかかっただけで、なんという魂の荒涼たる広がりと砂漠が目に映るか、熱が少し上がると、なんという絶壁や色鮮やかな花々の点在する芝地が見えてくるか、病気にかかると、私たちの内部でなんと古びた、がんこな樫の木々が根こそぎになるか・・・。」(ヴァージニア・ウルフ『病むことについて』みすず書房2002)

 「わかりあうことは難しいけれど、分かち合うことはできる
 ただとなりにいるから いつも君のそばにいるから」
 (いきものかがり「笑顔」1) 作詞:水野良樹)

 医療者はほんとうにいつも「そば」に居ることはできません。求められるのは、「魂の荒涼たる広がりと砂漠」の中にいると感じている人に、この医療者は「そば」にいてくれていると感じてもらえるような付き合いです。「共感」の教育とは、このことに尽きると思います。
 難しく教育を語れば語るほど、このことは忘れられていきそうです。患者を操作対象として(下に)見れば見るほど、手を拱いて「ただそばに佇む」ことの意味(No.113「「無念さ」とつきあう仕事)、「おろおろしながら」そばにいることの意味が伝えられなくなります(No.319「おろおろ」、No367「経験というフィルター」に書きました)。(2026.02)

1) 2025.11.3のNHK「病院ラジオ/北大病院」で、この歌を知りました。北大には2009年3月に医療安全管理部から講演に招いていただきました。北大のキャンパスは訪れるたびにその素敵さに圧倒されます。東京のせせこましい大学を卒業した身としては心の底から羨ましい。


日下 隼人

コミュニケーションのススメ 日下 隼人 コラム

● 本コラムの内容は、著者 日下 隼人の個人的な意見であり、マイインフォームド・コンセントの法人としての考え、および活動に参加しておられる模擬患者さんたちのお考えとは関係ありません。

● コラムNo.230 までは、東京SP研究会ウェブサイトにアクセスします。